実績紹介
景気の動向や少子高齢化などの社会現象により、新卒採用市場の状況は毎年変化します。それに伴い企業の採用おけるニーズも変わってきます。また、ワーク創業から現在までの20年の間に、紙媒体からインターネットに移行するなど、メディアやツールも大きく様変わりしました。創業以来20年。ワークがお手伝いしてきた新卒採用の問題解決の中から一例をピックアップ。年代別にまとめてみました。ぜひ、ご覧ください。事業計画書をもとに、計画実現のために、どんな人材が必要かを洗い出します。
【新卒採用市場の概況】
バブル経済とともに大卒求人倍率は2倍超が続き、1991年3月卒の求人倍率はなんと2.88倍。空前の売り手市場となりました。学生争奪のため競争は激化。学生を豪華食事に招待する、旅行に連れて行く、プレゼント要素の高いDMを送るなど、企業側の行き過ぎた行為が問題になった時期でもあります。インターネットはまだ一般的ではなく、大学生には段ボール箱に詰まった情報誌が送られてくる状態。男女雇用機会均等法や個人情報保護法などの規制のワクもそれほど厳しくなかったため、女子学生には情報誌やDMが届かない、理系学生や上位大学の学生には特別版の情報誌がどっさり届くなど、学生によって差が見られました。
【問題解決の事例】
●企業側のニーズ
メーカーとはいえ、取扱商品が一般消費材ではないので、学生には知名度が低い。情報誌に掲載されている莫大な企業情報の中に埋もれてしまって、見つけてもらえない状態でした。また、理系は一般応募より教授などからの推薦ルートが多く、実績がない会社には紹介もありません。
●これで解決!
切って折って組み立てるタイプのDMを理系学生に送付。まずは「何だろう?」と興味を持ってもらいます。中を読むと、その建材が都庁やランドマークタワーなど当時話題の建物に使用されていること、そこに隠された技術力、研究開発職がメインであることなど、理系がワクワクする内容が書かれていて、エントリーしてみよう!という気持ちになるよう仕掛けました。理系学生からのエントリーハガキが前年の約4倍に。
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●企業側のニーズ
店舗戦略を拡大するために店長候補の大卒をできるだけ多く採用したい。しかし、学生に「大学を卒業してパチンコ店に勤める」というイメージが(当時は)定着しておらず、苦戦を強いられていました。母集団も少ない上に、内定辞退率も高く八方塞がり。3年間で数億円の採用費をかけて、採用できたのは初年度2名、2年目が3名、3年目が7名という結果。
●これで解決!
媒体や合説、会社説明会などの手法はそのままに、読み物風の入社案内を追加し、上位校の学生に郵送しました。表紙には20兆円産業というコピーを大きく展開し、パチンコ業界の歴史、市場の動向と展望、日本経済に与える影響など、経済的に業界を分析。パチンコ業界をまったく視野に入れていなかった学生に気づきを与えました。また、社長が自分の生い立ちや想いを赤裸々に告白。「パチンコ業で仕事をすることに対する世間の目は厳しい。そこで、弊社は、地域経済に貢献したり、CIを行ったり、グレードの高い自社ビルを完備したりして、ブランド力の向上を図っている。また、社員の所得を上げることで、早くから家を建てられる、高級なクルマを持てるなど、生活水準を上げることも可能。○○(会社名)で働くことに誇りを持てるよう努力を続ける」という内容に。前年より200万円の予算をプラスしただけで、23名の採用に成功しました。
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●企業側のニーズ
あまりにも専門的な技術を扱っているので、自社の技術力を説明するには、「これまでの論文をすべて読んでもらうしかない」と考えていました。しかし、技術の進歩とともに論文はどんどん増えて続けていくばかり。といっても、この高度な技術を短い文章で表現するのは不可能。「学生にどういう方法で伝えればいいか」悩んでいました。
●これで解決!
これまでの分厚い論文をお預かりして、すべてを読み解いた上で分析。それを短い文章にまとめて入社案内を制作しました。それを読んだ企業は「必要な要素がすべて入っている。こんなに短い文章なのに…」と驚きの声。入社案内には、その文章のほかに、専門分野以外の学生が読んでもわかるように写真やデータ、脚注などを入れてわかりやすく構成。「この研究はオモシロイ!ぜひ開発に参加したい」と思わせる内容に仕上げました。「自社の魅力をあますところなく伝えたい」という企業の想いを実現しつつ、読み手の立場に立った表現により、化学系学生だけでなく必要な電機電子系、機械系などの学生も獲得できたのです。
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【新卒採用市場の概況】
求人倍率は下降し、1996年3月卒の1.08倍まで下がります。1997年から1999年までは一時上がったものの、2000年には0.99倍と、民間企業就職希望者の数と求人総数がほぼ同じに。採用「超」氷河期といわれ、就職コンサルタントや就職塾などのビジネスも誕生。企業は、「自社で活躍する優秀な人材」を採用するチャンスと捉え、採用予算は押さえつつ厳選採用を行いました。またインターネットが急速に普及したのもこの時期。企業間、学生間でメディアリテラシーの差が大きく、どのタイミングで何を使うのかを模索しつつの採用活動となりました。
【問題解決の事例】
●企業側のニーズ
知名度があるため、学生のエントリー数は多いのですが、中には「とりあえず、銀行だからエントリーしておこう」という希薄な動機の学生もたくさん混じっています。「全員に会うには時間とコストがかかる。どの学生が弊社を強く志望している人なのか、分かる方法はないでしょうか」という相談を受けました。
●これで解決!
エントリー学生に入社案内を送付。表紙をめくると「金融冬の時代」という内容で、「とりあえず、エントリーした」という学生はここで去っていきます。次のページでは、自社の強みをアピール。ディスクロージャーの中から抜粋した数字を金融用語で説明し、理解できた人はこの銀行のファンになるように仕掛けたのです。これにより、それまで毎年約800人だった会社訪問学生数が150人に減少。といっても減った650人は、志望動機が希薄な人と金融の知識が乏しい人です。つまり、残った人は採用対象に当てはまる人ばかり。人事担当者の労力は大幅に軽減されました。しかも、会社訪問に来た学生は入社案内を読んでこの銀行のことをある程度理解しているため、今まで会社の説明をするのに一人1時間かかっていたのが、30分でコンセンサスを得られるようになり、面談時間も大きく短縮できたのです。
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●企業側のニーズ
同じ地域を販売エリアとする3社のカーディーラー。クルマが好き、興味があるという希薄な動機で、3社へのエントリー学生は重複しています。しかし、それぞれに求める人材像が違うため、ターゲットに近い人材がそれぞれに応募してくれれば、効率採用につながります。
●これで解決!
高級車を扱っているA社は法人がメイン。だから法人営業ができるスタッフが欲しい。ファミリーカーを取り扱うB社は、家庭を訪問して人間関係を作ることができる人材が欲しい。C社はスポーツカーが多いので、若い人と話が合うような社員が欲しい。A社は、ECOプロジェクトなど環境に配慮している会社であることをアピール。文章量を多めにして、論理的思考力が高い人材が集まるように工夫しました。B社の入社案内やガイドブックには人の笑顔の写真をたくさん掲載。タイトルは手書き文字にし、全体に暖色系の色を使って、ほのぼのとした社風やお客さまとの温かい人間関係が一目で感じられる紙面に。C社は、ユニークな写真と風刺の効いたコピーを使ったビジュアル主体の紙面構成で、文字も少なめ。感覚的な人が惹かれる内容にしました。このようにコンテンツを変えることにより、同じ自動車業界を目指している学生でも、まったく違う人材が3社それぞれに集まってきたのです。
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●企業側のニーズ
会社全体を巻き込んだ熱心な採用活動で、母集団や採用過程では優秀な理系の学生を多く獲得できるのですが、内定を出した後、担当教授や両親に「もっと有名な企業に就職しなさい」とアドバイスされて、学生が内定を辞退することが多いのが悩みでした。
●これで解決!
高度な技術で省エネルギー化に貢献しているだけでなく、太陽光発電や風力発電といった新エネルギーの開発も手がけ、地球や社会に役立つ技術を提供している会社で、社員の人間性を育てる教育にも力を入れているのが特徴。しかし、知名度ではどうしても大手に負けてしまうというのが悩みのタネでした。そこで提案したのが絵本形式のコンセプトブック。自分たちが手がけている開発は環境に優しい技術であり、とてもヤリガイのある仕事だということ、最先端の技術を身に付けられるうえに人間的にも成長できること、などを訴えました。新卒採用の内定者に手渡しすることで、彼らの入社意識が高まるだけでなく、ご両親への説得材料にもなって、優秀な人材を確保することに成功した事例です。
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【新卒採用市場の概況】
IT、ベンチャーなどをキーワードに、日本経済が少し明るく見えた時期。求人倍率は上がりはじめ2008年、2009年には2.14倍になりました。学生獲得のための競争が再び激化。しかし、バブル時代とはメディアが違うため、ミクシィ採用、ブログ活用など、今までの採用手法と違う戦略で効率的に優秀な学生を集める企業も続出しました。人材業界には多数の会社が参入しサービスも多様化したため、企業側は選択肢が多くて採用戦略が立てづらくなるという一面も。
【問題解決の事例】
●企業側のニーズ
知名度の高い化学メーカーに母集団を持っていかれるため、2006年の新卒採用は30名採用予定のところ、18名で終わってしまいました。次年度の採用計画の32名はどうしても達成したいのですが…。
●これで解決!
求める人物像、その評価方法、採用計画と予算、採用フェーズごとの戦略を明らかにして、全体の採用ストーリーを決定しました。インパクトのあるコンセプトキーワードを中心に採用を展開。ナビ原稿や採用HPでターゲット学生の興味を引きつけ、エントリー者に送る小冊子には、箔押しのカギをデザインし、「この謎を解くために会社説明会に参加してください」と促します。母集団を増やすために、学部ごとにキャッチコピーを変えたDMを送付。採用HPにはマイページを設置し、プレミアム感を醸成しました。会社説明会は理系と文系を分け、参加者の志望動機が高まるような仕掛けに。また、4年生の内定者の座談会を開催し、この会社を選んだ理由や期待することなどを新聞形式にまとめ、説明会(3年生対象)で配布することで、安心感を与えることもできました。その結果、母集団は1.8倍に増え、志望動機が高く優秀な学生が選考に望んだため、厳選に厳選を重ねて定員オーバーの36名に内定を出し、辞退も0。不採用にした学生からも「どうしても御社に入社したい。もう一度チャレンジさせてほしい」といった熱いメールが多く届き、「こんなことは今までになかった」とうれしい悲鳴も。採用予算は前年と全く同じでも、採用デザインをきちんと設計することでこれほどの差がでるのです。
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●企業側のニーズ
会社に知名度があるため、かなりのの母集団は確保できるが、学生の志望動機を最大限に高めるような自社ならではの採用ストーリィを構築したい。
●これで解決!
熱意あふれる採用チームとともに、綿密な採用計画を作り、広報プランを確立。学生の就活を応援し、仲間を探すと言うスタイルが学生に好評で、就活中の学生が採用に参加するなど、熱狂的なファンづくりに成功しました。決して甘やかさない、だけど愛情が伝わるさまざま採用ツールは、学生を育てることにも貢献。とくに、段階ごとに配布されるブック型のツールは、学生が自分の成長を記録できる仕掛けで、入社後も彼らの宝物として大切に扱われています。
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【新卒採用市場の概況】
界同時不況の影響で、企業は経費削減のために人員整理を余儀なくされ、新卒採用への意欲も急激に冷え込みました。求人倍率は、2011年3月卒の学生が1.28倍。2010年は卒業生の20%が未内定のという前代未聞の状況となりました。さらに、ゆとり教育世代が社会適応できないことも問題となり、学生にとっては暗い時代へと突入。そんな中でも、「今だからよい人材を獲得できる」と積極採用する企業も出てきています。
【問題解決の事例】
●企業側のニーズ
新卒採用を始めたのが3年前。ナレッジがたまってきたし、採用市場の状況もいいので、本格的に計画を立てて、今まで採用できなかったような優秀な学生を採用したい。
●これで解決!
社長自ら採用に乗り出し、人事部、新入社員とともに熱く採用活動を展開しました。不況にも負けない企業というキャッチで学生の興味を集め、合説では隣のブースの企業から苦情が来るほどの熱血アピールで「元気な企業」をイメージづけます。会社説明会では、テレビ出演映像、フラッシュ映像、音楽、社長による司会進行、朗読、テレビ会議システムを使ったインタラクティブ会社紹介など、画期的な手法でリアルな会社の姿を公開。充分に志望動機を高めたうえで、入社案内では一転して「企業姿勢、安定性」をアピールしました。スキを見せない緻密な採用計画と、社長や新入社員を巻き込んだ熱い採用活動で、求める人材の獲得に成功した事例です。
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ワークでは、心理学、教育工学をベースに、業績につながる教育設計を行っています。企業のパフォーマンスを高める企業内教育は、ワークプレイスラーニングという概念に基づいて設計します。これは、研修やセミナーだけではなく、職場の中の、毎日の活動の中に、学べる仕組みを構築すること。人は経験を積み重ねることで成長します。また、繰り返すことによって学習効果が高まります。つまり、社員全員の力を最大限に高めるためには、たまに実施するOFF-JTだけでなく、毎日の活動に関連するOJTの仕組みや仕事の進め方(活動のデザイン)、評価や賞罰などの人事制度、ビジョンや行動規範、職場の空間デザインまで含めたトータルな学習方法を導入することが大切なのです。ここで、具体的な事例を紹介することはクライアント企業の機密事項に抵触するため、概要のみ提示しました。参考にしていただければ幸いです。
● 大手機械メーカー:社内SNS構築によるコミュニケーションの活性化とリーダーシップ開発
● 大手通信会社:代理店管理システムの有効活用による販売促進
● 大手通信会社:競合に勝つための戦略構築ノウハウを全員が身につけることによる販売促進
● 大手レコード会社:3年計画の組織改革による利益体質の改善とリスク管理
● 大手外食産業:新卒採用の内定時期を利用して学生を教育し即戦力化につなげる(取組中)
● ITベンチャー:EAP構築とカウンセラー派遣によるリスクマネジメント
● 「若手社員を即戦力化する年間プログラム」を5社共同で開発